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アプタマー創薬の世界的なリーディング・カンパニー リボミック

株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長 中村義一

代表取締役社長 中村義一

株主の皆さまへ

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

ステークホルダーの皆さまには、長らくお待たせしましたが、平成29年5月に大塚製薬とライセンス契約を締結いたしました。これは8年間実施してきたミッドカイン・アプタマー(当社製品コードRBM001)及び関連核酸に関する共同研究の成果を、大塚製薬において医薬品として開発・商業化することを目的としたものです。対象疾患等の詳細は非開示とさせて頂きますが、当社としては、大塚製薬において医薬品の開発が速やかに進展することを期待しています。この共同研究は、大塚製薬の故大塚明彦オーナーとの格別なご縁によって実現したもので、故大塚オーナーはもとより、粘り強くこのプロジェクトを推進して頂いた関係各位に謝意を表します。
株主の皆さまにおかれましては、引き続きより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

新規自社製品(RBM002/003)をご紹介します。

大塚製薬とライセンス契約をしたRBM001と同時に、平成27年末まで共同研究を進めてきたRBM002、RBM003を、当社が自社製品として事業化するための覚書を平成29年5月に締結いたしました。

RBM002はトロンボスポンジン1(TSP‐1)に対するRNAアプタマーで、抗癌剤による血小板減少を抑制するための新薬の開発を目的としたものです。すでにアプタマーの創製は完了し、抗癌剤投与の動物モデルで血小板の減少を顕著に抑制できることが確認されています。今後は強い抗癌剤投与による重度の血小板減少を抑制するための投与方法の確立が重要なテーマです。

RBM003は、キマーゼ(Chymase)に対するRNAアプタマーで、肺線維症に対する新薬の開発を目的としてスタートし、すでにアプタマーの創製は完了しました。当初目的とした肺線維症モデル試験では、十分な薬効が確認されませんでしたが、その後、適応疾患を変更して、心不全の動物モデルで薬効を試験した結果、顕著な治療効果が確認されました。当社にとって非常に重要な自社製品として位置づけ、今後の開発を進めてまいります。

代表取締役社長 中村義一

抗癌剤による血小板減少をストップ

トロンボスポンジン1(TSP-1)

TSP-1は、血液凝固や細胞間相互作用に関与する因子で、血小板の生成に関与することが知られています。これまで、TSP-1の阻害剤の臨床開発は世界的にも報告がありません。癌患者への抗癌剤の投与は、一般的に血小板の減少を引き起こします。強い抗癌剤ほど血小板数を大きく減少させ、生命に危険な状況となるため、十分量の抗癌剤が使えないというジレンマが生じます。当社は、RBM002の投与によって血小板の減少を抑制し、十分な抗癌剤が使えるような新しい治療方法を実現したいと考えています。

心不全の原因物質をブロック

キマーゼ(Chymase)

キマーゼは、肥満細胞が産生分泌するキモトリプシン様のタンパク質分解酵素で、血圧調節を始め、多様な生理活性に関与することが知られています。低分子を中心として多くのキマーゼ阻害剤が開発されてきましたが製品化には至っておりません。現在、唯一、バイエル社(独)が開発した低分子のキマーゼ阻害剤を用いた、心不全(左心室機能不全)に対する第Ⅱ相臨床試験が実施されています。

自社製品RBM‐007の研究開発が格段に進捗しました。
代表取締役社長 中村義一

RBM007は線維芽細胞増殖因子2(FGF2)に対する阻害性アプタマー創製の自社プログラムです。FGF2は、これまで「善玉」のタンパク質だと考えられてきました。しかし、FGF2に対する特異的で強力な阻害性アプタマーを作って調べてみると、FGF2は骨疾患を増悪させる作用があり、本アプタマーには骨疾患や骨疾患に伴う痛みを治癒する効果があることがわかりました。さらに、研究を進めた結果、「加齢黄斑変性症」や「軟骨無形成症」といったUnmet Medical Needsの疾患に対する新規治療薬となりうることも明らかになりました。当社は本アプタマーに化合物番号「RBM-007」を付与して、RBM-007医薬品の開発を優先的に推進することといたしました。

平成30年、RBM-007を用いた加齢黄斑変性症の臨床試験を開始する予定です。

平成30年、RBM-007を用いた加齢黄斑変性症の臨床試験を実施する予定です。

加齢黄斑変性症に対しては、血管新生を阻害する医薬品(ルセンティス、アイリーアなどのVEGF阻害薬)が開発され、1兆円に近い世界市場を形成しています。それらの実用化から約10年が経過しましたが、臨床上の問題点が明らかになってきました。そのひとつは、約1/3の患者に対して、既存薬の有効性が乏しいことです。また、有効とみられた患者も3年程度経過すると薬効が低下し、再び失明のリスクにさらされることです。

これらの要因として、病変による網膜の瘢痕化(線維化)が関与していると考えられていますが、既存薬には瘢痕化を抑制する作用はありません。

これに対して、RBM-007は、血管新生のみならず瘢痕形成を抑制する作用をもつことが明らかになっています。このような二重作用は既存の製品にはない新規なメカニズムであり、既存製品では奏効しない患者に対して新しい治療法を提供するものと期待しております。

来年、米国で計画している臨床試験の準備として、網膜疾患に関するキー・オピニオン・リーダーであり、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)メディカルセンター眼科の医師であるRobert B. Bhisitkul教授と、メディカルエキスパートの委嘱に関する契約(Medical Expert Agreement)を締結しました。

Bhisitkul教授を中心として、米国の複数の臨床機関で加齢黄斑変性症に関する臨床試験を実施する予定です。

比較的少人数の患者でPhaseI/IIa試験を実施するため、開始から約1年程度で薬効の有無が明らかになるものと考えます。

RBM-007を用いた軟骨無形成症の臨床試験も射程に入ってきました。

軟骨無形成症は、FGF受容体のひとつFGFR3におきた突然変異によって発症する、四肢短縮による低身長を主な症状とする希少疾患です。軟骨無形成症モデルマウス(FGFR3変異遺伝子を導入したマウス)を用いた薬理試験において、RBM-007は低身長改善効果を示し、軟骨無形成症に対する本薬剤の非臨床POCが確認されました。

現在、このプロジェクトは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による創薬支援推進事業(希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業)として支援を受け、順調に研究開発が進展しています。また、本疾患に対する基礎・臨床面での豊富な知見や様々な評価方法等を有する大阪大学医学部、及びチェコ共和国Masaryk大学医学部とも連携して研究開発を進めており、本アプタマーの早期臨床試験の実施に向けた準備を整えております。